金沢都市美文化賞

第47回(令和6年度)金沢都市美文化賞受賞一覧


泉の台幼稚舎 「ライツテラス」(泉野町4丁目)

泉の台幼稚舎 「ライツテラス」

子育て支援センターと放課後児童クラブを大屋根の下で合築することで、様々な年代の子供たちが一緒に遊び、学び合う風景が広がる。園庭と繋がる階段広場や、隣接する公園と連続する大屋根の下の空間により、園庭と公園を繋ぐゲートの役割をもち、街の魅力を創り出している。


金沢スタジアム(磯部町)

金沢スタジアム

新たに整備されたスタジアムと広場空間は、試合がない日は巨大なランドマークとして造形美を誇示し、試合時には人々の熱気と賑わいであふれる場所になる。この二面性を満たした本計画は、歴史文化都市のイメージを持つ金沢に、スポーツ都市としての新たな魅力を付加している。


金沢みんまクリニック(窪7丁目)

金沢みんまクリニック

コンビニの構造体を再利用したクリニックは、周辺環境と馴染んだ色彩とし、建物の周囲に緑豊かな植栽を配したことで、輪郭が変わらなくとも、大きなイメージチェンジに成功している。数多くあるコンビニを再利用した施設の中でも、一際都市の美観に貢献した好例である。


株式会社アイテック(打木町)

株式会社アイテック

中を覗きたくなるようなガラスの壁面や屋根裏の木材の表現、エントランス部を取り囲む緑豊かな外構の演出は、制御盤等の製造工場とは思えないほど洗練されたデザインで、人々の目を引きつける。殺風景になりがちな工業団地の中で、今後計画される類似施設の模範になることが期待される。


清川町の家(清川町)

清川町の家

寺町台地を背景に犀川に面した住宅の二つの瓦屋根は、台地から川へ繋がる地形に馴染む高さに設定され、正面から見ると、二つの瓦屋根が呼応するように斜面を登る姿に映る。伝統的木造住宅の趣を醸し出しつつ、現代住宅の機能性も考慮された、川筋景観を意識した建築意匠である。


尚(寺町5丁目)

尚

犀川大橋からよく見え、蛤坂の入口端部に立地するこの建物は、瓦屋根と下見板張りの外壁表現により、昔からそこに建っていたかのように、違和感なく街並みに調和している。犀川沿いや寺町を散策する時に自ずと目に入る場所において、景観上の配慮がなされた建築表現となっている。


寺町寺院群の家(寺町5丁目)

寺町寺院群の家

寺町寺院群の主要な交差点に立地する高岸寺の敷地内に建つ住宅は、本堂に合わせて、切妻屋根、通し貫の漆喰壁となっている。歴史の重層する静謐な重要伝統的建造物群保存地区内に違和感なく調和した外観は、さりげなく静かに佇む姿として、景観の魅力づくりに貢献している。


東山はたご(東山1丁目)

東山はたご

東山の大通り沿いの建物を藩政期の旅籠屋をイメージさせる外観に改修した。近隣の木造建築と屋根・庇の高さを合わせたことで、街並みや背後のひがし茶屋街に調和している。今後大通り沿いの街並みが、本建物のように東山の景観を意識した外観意匠に改修されていくことを期待する。


ひばりキッズガーデン(額新町2丁目)

ひばりキッズガーデン

こども園の園庭は、安全のために閉ざす傾向にあるが、本園ではガラスや透過性の高いフェンスなどで境界部を囲い、遊ぶ子供の姿を積極的に見せようとしている。中央の芝生の山や様々な植物に囲まれた景観は、地域に開かれた公園のようであり、閑静な住宅地に潤いを与えている。


友禅流しのベンチ(尾山町)

友禅流しのベンチ

セメント系3Dプリンターで製作された休憩用ベンチは、浅野川の友禅流しをヒントに造形されており、尾山神社の杜や金沢城の石垣、鼠多門橋など周辺の歴史的環境に、昔からそこにあったかのように馴染んでいる。革新的技術と伝統的イメージが融合された魅力が感じられる。


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